差分

魔術士

1,196 バイト追加2021年5月1日 (土) 14:12
魔術士という肩書きは資格や称号ではなく、生物種の分類を表す呼称であり、自らの意思で魔術を行使できる生物は無条件で魔術士と呼ばれる。従って、広義的には[[ドラゴン種族]]も魔術士に分類することが可能だが、現在の人間社会において一般的に魔術士と呼ばれるのは[[音声魔術]]を扱う[[人間種族]]の魔術士であり、その中でも特に[[黒魔術]]を操る'''黒魔術士'''が大半を占める。また[[白魔術]]を操る'''[[白魔術士]]'''は、黒魔術士を遥かに超える支配領域を持つが、その個体数は圧倒的に少ない。
生態的に魔術を操ることができる幾度となく繰り返されてきた迫害を乗り越えてきた弊害か、必然的に魔術を唯一にして絶対の価値観として捕えがちになり、非魔術士に対して無意識に見下し、排他的になりやすい。また、個人の自制・自立を至上の理想とする一方、同じ魔術士として仲間意識を強要する傾向にあり、[[ドラゴン種族ベイジット]]とは異なり、半ドラゴンである人間種族の魔術士が魔術を扱えるようになるまでには、およそ数年から十数年に亘る制御訓練が必要となる。魔術という新たな感覚を会得するだけでも通常5年はかかると言われている。魔術士の成熟過程には3つの段階が定義されており、まず第一段階で魔術という力を知覚可能になり、また自らもその力を扱えるようになる。第二段階では、その力を集中し、増幅できるようになる。一般的には、この段階をクリアすることで一人前の魔術士と認められるようになる。最終段階は、魔術士として独り立ちした後、魔術を使ってどのような業績を為したかが問われる。《[[牙の塔]]》では、優秀な成績や功績を残した魔術士を対象とした「[[上級魔術士]]」という称号が設けられている。 人間種族の魔術士は例外なく[[ウィールド・ドラゴン種族|天人種族]](ウィールド・ドラゴン種族)の血を引いていると考えられている。逆説的には、天人の血をわずかにでも引いていない限り、人間は魔術を扱うことができない。これは、魔術の力の根源である[[魔力]]を感知する能力が人間種族には生来的に備わっていないためであり、人間が魔術士に成り得るか否かは、生まれ持った遺伝子情報に左右されることを意味している。強力な魔術士の血を引く子どもには高い魔術の素養が備わることが多いとされ、かつて《[[牙の塔]]》では、優秀な魔術士の男女に子をもうけさせ、魔術士のサラブレッドを生み出そうと画策されていた時代もあったという。 幾度となく繰り返されてきた迫害を乗り越えてきた弊害か、必然的に魔術を唯一にして絶対の価値観として捕えがちになり、非魔術士に対して無意識に見下し、排他的になりやすい。のように魔術士社会の在り方に疑問を持つものから時折不快な感情を抱かれることがある。
ちなみに、『オーフェン』の世界においては「魔術'''師'''」とする表記は誤りである<ref>作者曰く、「'''魔術'''師」と「機動戦'''士'''」(ガンダム)の造語、とのこと</ref>。かまずに発音するには、心持ち「まじつし」と言うようにすると言いやすいらしい。
==歴史==
魔術士の発祥は200年以上前に遡る。当時、[[キエサルヒマ大陸]]を襲った[[ヴェルザンディ|女神]]の下僕([[魔獣]])たちとの戦いの末、全ての雄を失っていた天人種族は子孫を残す術も失い、絶滅の危機を迎えていた。天人は種族の首長の立場にあった[[聖域]][[司祭]][[イスターシバ]]の提言により、戦中に大陸に漂着して以来、友好な関係を築いてきた[[人間種族]]との「混血」を図った。しかし、その結果産まれたのはドラゴンの血を引く「人間」に過ぎなかった。天人の生殖実験は失敗に終わったものの、その副産物として、魔力を感知し制御する力を血統によって受け継いだ新たな種族、現在の音声魔術士の祖となる半天人半人間が誕生した。との「混血」を図った<ref>人間種族が持つ[[巨人化]]を制御する目的で行われた人体改造実験の一環だったらしい</ref>。しかし、その結果産まれたのはドラゴンの血を引く「人間」に過ぎなかった。天人の生殖実験は失敗に終わったものの、その副産物として、魔力を感知し制御する力を血統によって受け継いだ新たな種族、現在の音声魔術士の祖となる半天人半人間が誕生した。
それからしばらく経ち、[[開拓公社]]から土地調査員として[[ラグナロク砦]]跡に派遣されたセグワ・オリンプス(後の[[ラモニロック]])は、[[アイルマンカー結界]]の狭間に押し留められていた[[ヴェルザンディ|運命の女神]]と邂逅し、強制的に[[システム・ユグドラシル]]の一部に組み込まれてしまった。セグワは人間種族の[[始祖魔術士]]へと変容し、この瞬間に人間種族はドラゴン種族と同様に魔術を行使できる種族として覚醒したとされる。
==始祖魔術士==
上述の通り、人間種族の始祖魔術士はラモニロックとされていた。しかし後日談において、人間種族は[[常世界法則]]の[[現出]]によって実体化した「[[巨人]]」、すなわち[[神々]]と表裏一体を成すシステムの一側面であり、そもそもシステムに介入するための楔となる存在は不要であったことが明らかになった。これは、天人から受け継がれた素養さえあれば、始祖魔術士の有無に関わらず、人間種族は既にシステムに認識されているため魔術を行使可能であったことを示している。
== 天人種族との血筋 ==人間種族の魔術士は例外なく[[ウィールド・ドラゴン種族|天人種族]](ウィールド・ドラゴン種族)の血を引いていると考えられている。逆説的には、天人の血をわずかにでも引いていない限り、人間は魔術を扱うことができない。これは、魔術の力の根源である[[魔力]]を感知する能力が人間種族には生来的に備わっていないためであり、人間が魔術士に成り得るか否かは、生まれ持った遺伝子情報に左右されることを意味している。強力な魔術士の血を引く子どもには高い魔術の素養が備わることが多いとされ、かつて《[[牙の塔]]》では、優秀な魔術士の男女に子をもうけさせ、魔術士のサラブレッドを生み出そうと画策されていた時代もあったという。 == 成長過程 ==生態的に魔術を操ることができる[[ドラゴン種族]]とは異なり、半ドラゴンである人間種族の魔術士が魔術を扱えるようになるまでには、およそ数年から十数年に亘る制御訓練が必要となる。魔術という新たな感覚を会得するだけでも通常5年はかかると言われている。魔術士の成熟過程には3つの段階が定義されており、まず第一段階で魔術という力を知覚可能になり、また自らもその力を扱えるようになる。第二段階では、その力を集中し、増幅できるようになる。一般的には、この段階をクリアすることで一人前の魔術士と認められるようになる。最終段階は、魔術士として独り立ちした後、魔術を使ってどのような業績を為したかが問われる。《[[牙の塔]]》では、優秀な成績や功績を残した魔術士を対象とした「[[上級魔術士]]」という称号が設けられている。 ===戦闘訓練===
魔術士はカリキュラムのひとつとして戦闘訓練を受けている事が多い。それは、魔術士同士が魔術を使用して戦う場合、魔術の発動に要するタイムラグの関係から、相手の[[構成]]を読んで防御する時間があるため、容易に決着が付かないためである。
魔術士が戦闘訓練を受ける最大の理由は、[[魔術士狩り]]以降の被迫害時代を生き抜くためであった。まだ魔術士が誕生して間もなかった頃、絶対数が少ない上に経済的・政治的な後ろ盾もなく、恐れられ忌み嫌われていた魔術士が自身の安全を確保するには、自分達の戦闘能力を高めるしかなかった。特に黎明期は現代ほど魔術構成理論が洗練されてなく、戦闘方法もまともに確立されていなかったため、白兵戦の技術(特に素手による戦闘技術)は真っ先に取り入れられた。
しかし、魔術士の社会的地位が確立されてくると、血生臭い訓練はあまり意味を成さなくなり、教える学校によっては戦闘訓練を受けていない魔術士も多くなってくる。《牙の塔》では今も戦闘訓練が正式なカリキュラムに入っているが、それは昔からの慣習によるものであって、教師によっては本格的に教えていない事も多くなってきた。逆に、本格的な技術を教える教師も存在しないわけではなく、危険な暗殺技術を教える魔術士も存在する。 結局のところ、魔術士の戦闘技術は学ぶ学校や教師次第となる。しかし、魔術士の社会的地位が確立されてくると、血生臭い訓練はあまり意味を成さなくなり、教える学校によっては戦闘訓練を受けていない魔術士も多くなってくる。《牙の塔》では今も戦闘訓練が正式なカリキュラムに入っているが、それは昔からの慣習によるものであって、本格的に教えられる教師は少なくなってきた。逆に、本格的な技術を教える教師も存在しないわけではなく、危険な暗殺技術を教える魔術士も一部には存在する。
==魔術士の社会==
===学府===
[[タフレム]]の《[[牙の塔]]》と、[[王都]][[メベレンスト]]の「[[スクール]]」が、魔術士養成機関の双璧とされる。その他、各市町村で開かれている道場・教室の類や、個人で師匠についたり、独学のみで学ぶ者もいる。古来より魔術士という人種は勤勉な性格として知られ、大陸における歴史や地理などの学術的分野において、他の組織よりも遥かに正確な記録を残している。特に、《牙の塔》などの権威ある学府で教育を受けた者は、魔術だけでなく一般教養においても高い水準の知識を修め、また、世間からもそう評価される。」が、魔術士養成機関の双璧とされる。その他、各市町村で開かれている道場・教室の類や、個人で師匠についたり、独学のみで学ぶ者もいる<ref>ただし、独学は効率が悪く、制御できる魔術も中途半端になりやすい。モグリの魔術士は独学のものが多く、社会的認知を受けにくい。</ref>。古来より魔術士という人種は勤勉な性格として知られ、大陸における歴史や地理などの学術的分野において、他の組織よりも遥かに正確な記録を残している。特に、《牙の塔》などの権威ある学府で教育を受けた者は、魔術だけでなく一般教養においても高い水準の知識を修め、また、世間からもそう評価される。 その一方で、魔術士の修業は魔術の訓練や学問に偏りがちになり、魔術や学問以外の職業的な訓練は二の次になる傾向がある。優秀さを求められ評価される一方、魔術を必要としない分野(世渡り的な知恵や魔術以外のことで生活をするためのノウハウなど)になると逆に穴だらけで、能力を発揮できないケースが多々ある。また、魔術の成績が悪いと(それ以外の才覚はまったく評価されることなく)問答無用で落ちこぼれ扱いされるという弊害も生んでいる。
===性差廃絶主義===
魔術士は宗教を一切信じないとされている<ref>一部では[[魔王崇拝]]を行っているものもいるので、必ずしも全ての魔術士に云えるわけではない。</ref>。そのため、葬儀は祭司を置かない極めて簡素なもので、意味合いも「死者を弔う」というよりは「死者に別れを告げる」に近い。
無信仰である魔術士の特徴として神々や信仰を軽視しがちになり、[[キムラック教徒]]のような神論者から顰蹙を買いやすい傾向になる。のような神論者からひんしゅくを買いやすい傾向にある。
==原大陸の魔術士==
匿名利用者
27.126.100.181