常世界法則

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常世界法則(じょうせかいほうそく、システム・ユグドラシル)とは、世界全般のすべてを司る法則であり、と同一視される。フィジカル・システム=ユグドラシルとも呼ばれる。

概要編集

現世界「蛇の中庭」を構成し、その在り様を定義付ける根本の法則(システム)である。万物はこの法則によって支配される。

神話に伝えられるかつての世界とは、ギヌングガガァプと呼ばれる虚無の穴であり、それは変化の要素を一切持たない、ただひとつの塊に過ぎなかった。しかしある時、ギヌングガガァプに降り立った神が世界に変化をもたらしたことで旧世界は滅び去り、その後に創造された新たな世界が、あらゆる変化を肯定する新世界「蛇の中庭」であり、その変化を司るシステムが常世界法則である。

法則の解明と現出編集

1000年以上前、ドラゴン種族は各種族から最も優れた知恵者を1名ずつ送り出し、「賢者会議」(後の始祖魔術士たち)なる集会を結成した。彼らはこれまで築き上げた叡智の集大成として取り組んだ「常世界法則の解析」という大業を成し遂げ、その成果として、常世界法則にアクセスし世界を制御する技法「魔術」を見出した。

賢者会議の面々は常世界法則の解明と同時に、法則と世界をつなぐ楔(くさび)としてシステムと半一体化し、始祖魔術士と呼ばれる不死の存在となった。それは、彼らを筆頭とする全ドラゴン種族が等しく魔術の力を獲得することを意味した。

しかし、「常世界法則に支配される者が常世界法則を操る力を持つ」という矛盾が世界に歪みを生じさせ、その結果、普遍の法則としてのみ存在していた常世界法則は、「」という生物として世界に具現化されてしまった。ドラゴン種族はこれを「神々の現出」と呼んだ。

魔術と魔法編集

魔術とは、常世界法則を一時的に欺き、その隙に現実世界を己の理想とする架空世界へと移し替える術である。ただし、この魔術には常世界法則を永久に騙し続けられる程の力は無く、加えてその制御には様々な制約がつきまとうため、決して万能とは言い難い。

それに対して、常世界法則そのものである神々が行使するとされる「魔法」は、そういった制約を一切受けずに法則を操ることを可能とする、限りなく万能に近似した力と考えられている。

かつて人間の身から神へと昇華し、後に現出によって神人となった魔王スウェーデンボリーは、魔法を魔術によって再現する魔王術を編み出している。

滅びへの約束編集

常世界法則は変化の可能性と方向性、指向性が本質である。世界の営みを未来まで繋げれば、必ず死という終着点にたどり着く。過去と現在はやがて滅びに至る道程であり、運命の三女神がこれを象徴する。カーロッタはすべてが滅びへと至る過程を「約束」と表現し、万物はその流れに逆らえないし逆らってはならない。滅びを否定して不死の仕組みをつくろうとすると、仕組みから生まれた破局に滅ぼされる。

ドラゴン種族は自らの繁栄を永遠たらしめるために魔術を発明し、その結果として滅亡への道を辿った。同様に、巨人化魔王術も滅びを否定しうる代物であり、女神を招きよせてしまうのである。滅びのリスクは常にどこにでもあり、誰にも否定できないし否定してはならないのである。

関連項目編集

出典編集

最終更新: 2014年12月10日 (水) 17:25