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始祖魔術士

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始祖魔術士(しそまじゅつし、アイルマンカー)とは、常世界法則の解明によって魔術を創始した6名のドラゴン種族のこと。不死の魔術士賢者会議の後身にあたる。

概要[編集]

常世界法則に打ち付けられた「楔」(くさび)となり、ドラゴン種族に魔術の力をもたらしている存在。伝承では神々から魔法の秘儀を盗んだとも記されている。ドラゴン種族は各種族を代表する始祖魔術士という媒介を通すことで常世界法則にアクセスし、魔術を行使している。魔術を生み出した当事者である始祖魔術士たちが手にした力は、それぞれの種族が得た力とは比較にならないほど強力なものであったといわれる。

歴史[編集]

1000年以上前、巨人の大陸で栄華を誇っていた6つの霊長種族は、その中でも特に聡明だった者を各種族から一名ずつ選び出し、賢者会議を結成した。彼らは自らの叡智をより高度な次元へと押し進めるべく、世界そのものを司る大原則「常世界法則」の研究に取り組んだ。そして、法則の解析に成功した彼らはシステムの一部として組み込まれ、常世界法則と実世界を接続する楔「アイルマンカー」へと変容した。

始祖魔術士の誕生は、彼らを介する全ての種族に「魔術」という常世界法則を操作する力を発現させたが、同時にそれはシステムがシステムに内包される者に制御されるという矛盾を生むこととなり、バランスを崩壊させた世界は後に「神々の現出」と呼ばれる常世界法則の擬人化現象を引き起こしてしまった。

魔術の根源であるドラゴン種族を滅ぼすことでシステムに生じた矛盾の解消および神への復帰を目論んだ神々は、圧倒的な力を行使して巨人の大陸を破滅へと追い込んだ。始祖魔術士はかろうじて生き残った同胞を率い、世界の辺境の小さな島(後のキエサルヒマ大陸)へと逃げ延びた。始祖魔術士は各々が持つ力の全てを結集した魔術の障壁「アイルマンカー結界」を島全体に張りめぐらせ、外界からの干渉を完全に断絶することで神々の襲来を阻んだ。

始祖魔術士はアイルマンカー結界を常時張り続ける必要があったため、キエサルヒマ大陸の中心に築いたドラゴン種族の「聖域」のさらに最深部に、ありとあらゆる侵入を拒絶する絶対不可侵の霊廟「アイルマンカー玄室」を設け、後にオーフェンが玄室に踏み入れるまでの約1000年間を絶えずその中で過ごし、逃れられない破滅の恐怖に怯え続けていた[1]

不死性[編集]

始祖魔術士たちは常世界法則と半ば一体化している(「神によって運命を剥ぎ取られた」とも形容される)ため、滅びを超越した不死の存在である。しかし、唯一始祖魔術士を殺すことができる手段が「絶望」であるとされる。天人種族の始祖魔術士オーリオウルは、約200年間女神に囚われ続けた結果、絶望に対する自制を失ったことで命を落としている。

また、ドラゴン種族は始祖魔術士を介することで魔術を行使しているため、もしその始祖が死ぬことになれば、その種族が持つ魔術も消滅すると考えられている。[2]

人間種族の始祖魔術士[編集]

人間種族の始祖魔術士は、キムラック教会の教主ラモニロックであると本人によって認めらていた。ラモニロックの回想によると、数百年前、土地調査のためにキエサルヒマ大陸北部に派遣されたラモニロック(セグワ・オリンプス)は、迂闊にもラグナロク砦跡の結界の綻びから突き出した女神の足に触れてしまい、ドラゴン種族の始祖魔術士たちと同様にシステムの一部として常世界法則に組み込まれ、人間種族の始祖魔術士にあたる存在へと変異した。これにより、それまでは魔力を感知することしかできなかった人間も、魔術を能力として操ることができるようになったという。

しかし、後に召喚によってオーフェンが受け継いだスウェーデンボリーの記憶を基にすると、このラモニロックの述懐は天人に捏造された虚偽の事実である可能性が生まれた。そもそも現出した「巨人」の末裔である人間種族は元よりシステムに認識されているため、始祖魔術士という媒介の存在を必要とはしていなかったとされる。

人造始祖魔術士[編集]

「第四部」にて、スウェーデンボリークリーチャーの技術を利用することで人間の素体から天人種族の模造を造り出し、シスター・ネグリジェを始祖魔術士として再設定した。

始祖魔術士一覧[編集]

脚注[編集]

  1. ^ オーリオウルは300年前のラグナロク砦の戦いのために玄室を離れている
  2. ^ 事実、沈黙魔術オーリオウルの死後20年経過した『第四部』では完全に失われている。

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