| あいつがそいつでこいつがそれで | 
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| 著者 | 
     
秋田禎信 | 
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| イラスト | 
     
なし | 
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| 連載誌 | 
     
モツ鍋の悲願 | 
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| 期間 | 
     
2008年9月 - 2009年4月 | 
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| 回数 | 
     
全134回 | 
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『あいつがそいつでこいつがそれで』は、秋田禎信のウェブ小説。『魔術士オーフェンはぐれ旅』の後日談。略称は『あそこそ』。
概要
2008年9月から2009年4月にかけて、作者の公式ウェブサイト『モツ鍋の悲願』で不定期に連載された。その後、2009年12月22日に発売された『秋田禎信BOX』に本作の改訂版にあたる『キエサルヒマの終端』が収録され、さらに2011年9月24日には再び単行本化された。
内容
『魔術士オーフェンはぐれ旅』の後日談にあたる長編。物語はシリーズ最終巻『我が聖域に開け扉(下)』の直後から、その約1年後のオーフェンのキエサルヒマ大陸脱出およびクリーオウとの再会までが描かれ、『はぐれ旅』第二部から第三部への橋渡し的な役割を担う。なお、本作のプロローグにあたる第1回から第6回までのシーンは、本来は『はぐれ旅』最終巻のエピローグとして書かれたものの、当時は「収まりが悪い」という理由から削除された部分であることが明かされている。
2008年9月4日より『モツ鍋の悲願』雑記ページにて不定期連載を開始し、節ごとに数日〜数週間程度のインターバルを挟みつつ、2009年4月5日に全134回で完結した。
特徴
本作では人物名の表記が全て指示代名詞に置き換えられており、それが表題の由来にもなっている。内容の大部分は文脈から読み取ることが可能だが、人物の特定が困難な箇所もいくつか存在する[1]。
原則として、「こいつ」が各章の視点となる人物、「そいつ」がそれ以外の登場人物を示し、セリフや地の文に現れる人物名はすべて「あいつ」と表記される。この試みは作品の権利上の問題が影響しているわけではなく、純粋に作者が「遊び」として加えた要素である。なお、後述の書籍化の際には本来の表記に差し戻され、表題も『キエサルヒマの終端』と改められている。
答え合わせについては「#照合」を参照。
発表までの経緯
本作の連載は一切の事前告知無しに開始され話題となった。後に為された説明によると、本作は2007年頃に企画された「富士見ファンタジア文庫創刊20周年記念フェア」の一環[2]として書き下ろされた原稿が基になっている。ところが、原稿の完成後に紆余曲折あり[3]、最終的には企画そのものがお蔵入りとなってしまった[4]。結果として宙に浮くこととなった原稿を持て余した秋田は、2008年9月始めに「公式サイトの1年間毎日更新」を宣誓し、雑記更新の穴埋めという体裁で作品の公開するに至った。この一部始終については、『モツ鍋』の雑記(2008年11月19日分、他)や『秋田禎信BOX』のあとがき等で触れられている。
書籍化
本作の連載中、秋田禎信が自身のマネージメントを委託しているティー・オーエンタテインメントから連載の書籍化の打診を受け、2009年3月22日、書籍化の決定が正式に発表された。同年12月22日、『あいつがそいつでこいつがそれで』を全面改訂した(正確には元に戻した)『キエサルヒマの終端』に加え、この後日談のさらに後日談となる書き下ろしに、他シリーズの後日談や未収録作品などをセットにしたボックス仕様の豪華本『秋田禎信BOX』が完全限定生産版としてTOブックスより発売された。
2011年11月に開始される新シリーズに先駆け、2011年9月24日に単巻化されて発売された。
連載
| 節
 | 
回
 | 
連載日
 | 
章題
 | 
| 1
 | 
第1回〜第6回
 | 
2008年9月4日〜2008年9月9日
 | 
プロローグ
 | 
| 2
 | 
第7回〜第14回
 | 
2008年9月11日〜2008年9月18日
 | 
第一章 季節が過ぎて
 | 
| 3
 | 
第15回〜第23回
 | 
2008年9月19日〜2008年9月27日
 | 
| 4
 | 
第24回〜第32回
 | 
2008年10月1日〜2008年10月9日
 | 
第二章 旅に出る時
 | 
| 5
 | 
第33回〜第43回
 | 
2008年10月15日〜2008年10月25日
 | 
| 6
 | 
第44回〜第59回
 | 
2008年11月1日〜2008年11月16日
 | 
第三章 咎の隔たり
 | 
| 7
 | 
第60回〜第73回
 | 
2008年11月25日〜2008年12月8日
 | 
| 8
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第74回〜第94回
 | 
2008年12月18日〜2009年1月7日
 | 
第四章 凄涼の旅
 | 
| 9
 | 
第95回〜第97回
 | 
2009年1月16日〜2009年1月18日
 | 
第五章 別離の日々
 | 
| 10
 | 
第98回〜第116回
 | 
2009年2月1日〜2009年2月19日
 | 
| 11
 | 
第117回〜第122回
 | 
2009年3月1日〜2009年3月6日
 | 
| 12
 | 
第123回〜第129回
 | 
2009年3月16日〜2009年3月22日
 | 
| 13
 | 
第130回〜第134回
 | 
2009年4月1日〜2009年4月5日
 | 
エピローグ
 | 
照合
| 節
 | 
あそこそ
 | 
| 第1節
 | 
そいつ : レティシャ・マクレディ
 あいつ :
 
-  ねえ、今ここにあいつが…
 
-  そこにあいついなかった…/あいつを追い出した…/あいつを素通り…
 
-  あいつ追いかけるのに…
 
-  あいつやあいつが最後まで抵抗したけど…
 
-  あいつも騎士位を失ってるし、あいつ自身も同罪に…
 
-  あいつが激怒して…
 
-  あいつはあいつで法廷に一度も…
 
-  こんな時あいつがいてくれれば…
 
-  是が非でもあいつを英雄に…
 
-  その役目を見込んでいたのはあいつだったんでしょうけど…あいつも行方不明。
 
-  あいつからあらましを聞いている。
 
-  あいつとあいつは死んだということ。
 
 
  
 | 
| 第2節
 | 
そいつ : オーフェン
 あいつ :
 
-  あいつが姿を消した。
 
-  あいつとその配下数十名が…
 
-  あいつが護衛を連れて逃亡…
 
-  あいつ以下魔術士はみな牙の塔へ…
 
-  そうあいつに語った夜、あいつは優しく微笑んでくれた。
 
-  だがあいつはもう戦えない身体だ。
 
-  あいつは死んだ。あいつを覚えてるか?
 
-  あいつとあいつがいなくなっちまえば、もどってくるさ。
 
-  あいつが先に行ったと言え。
 
-  先遣隊にあいつとあいつが紛れ込んでた。
 
-  あいつの精神支配に屈して、再びあいつらの支配下に…
 
-  あいつは裏切ったんじゃなくて教徒を守る新たな…
 
-  あいつを殺してあいつを取りもどし…
 
-  あいつが相手じゃな。殺すつもりでかからないと危なっかしい。
 
-  それにあいつの寿命も、そう長くない。
 
 
  
 | 
| 第3節
 | 
そいつ : イザベラ / ハーティア / 秘書(ラシィ・クルティ)
 あいつ :
 
-  彼はあいつの生徒よ。
 
-  あいつが掴んだところによると…/あいつに分からないのなら…
 
-  あいつにはこう伝えてくれ。
 
-  あれは魔術士だったのかな
 
 
  
 | 
| 第4節
 | 
そいつ : レティシャ・マクレディ
 あいつ :
 
-  今日がなんの日なのかあいつは…/家事のできないあいつを…
 
-  あいつの声だ――
 
-  同じ屋敷で生活するあいつは静かになんて…
 
-  魔術士至上主義のあいつは…
 
-  レティシャの子供の父親
 
-  それはあいつだと思う。/あいつは維持しないとならない仮面もなくなって…
 
-  あいつという魔術士に、その生徒になっているあいつ。
 
-  あいつは少し遅れるらしい。
 
-  あいつはおざなりな別れのやり取りをすると…
 
-  あいつもそれに従った。
 
-  しばらくぶりに会うあいつは…
 
-  あいつとぼくも行って…
 
-  あいつが声をあげるのが聞こえた。
 
-  あいつが来たらしい
 
-  《塔》でも最高位のこの魔術士はあいつに軽く触れ…
 
-  あいつの軽口に眉を上げてから…
 
-  あいつとあいつからの餞別を預かってきた。
 
-  あいつの尻ぬぐいで備品名簿の改ざんをしていたのはわたしだ。
 
-  『あの人』のことはなにも言わない。
 
-  あいつが進み出て近寄ってきた。
 
-  あいつ、会ったらぶん殴っておいて。
 
 
  
 | 
| 第5節
 | 
そいつ : サンクタム(コルゴン)
 あいつ :
 
-  「お前は……あいつ?」/似てるだろうか? あいつとわたしとは。
 
-  正反対だが似ていた。この男と、あの人は。
 
-  あいつってところね……わたしにとっては
 
-  それはあいつに言われるまでもなく…/やはりあいつの声が聞こえたような気がして…
 
-  あいつのことも、あいつのことも
 
-  歴史を飛び越えて未来を託されたあいつ :
 
-  人造人間であるあいつに、あいつ。
 
-  御立派な人間側の俗物、あいつ :
 
-  あいつと同じだな/あいつのことはこうして支配したのだ
 
 
  
 | 
| 第6節
 | 
そいつ : ドロシー・マギー・ハウザー / コンスタンス・マギー / メッチェン・アミック
 あいつ :
 
-  なんであいつが船長なんだ
 
-  あいつのオフィスに積まれた箱の…
 
-  合い言葉を知らされているのは総監督であるあいつと…
 
-  実行部長
 
-  警備隊の責任者であるあいつ :
 
-  そして死の教師ふたり
 
-  あいつとあいつによって第一次開拓隊が掌握され…
 
-  中心となるのは当然、死の教師であるあいつだ。
 
-  あいつはあいつを連れていち早く…/あいつらが海の藻屑になったのでなければ…
 
-  あいつを知る者として…
 
-  そいつとあいつに同じ質問ばかり…
 
-  君とあいつが殺された場合…
 
-  先発隊があいつ、あいつに支配されたとして…
 
-  同じ死の教師でも、あいつのほうが位が上だし。
 
-  なるべく早くあいつを捕らえて…/あいつの口から…/あいつはそう長く持たない。
 
-  あいつが気にしてたんだけど…
 
 
  
 | 
| 第7節
 | 
そいつ : オーフェン
 あいつ :
 
-  『魔王』あいつだ。
 
-  これはこいつとあいつが引き起こしたものだ。
 
-  死の教師の長であるあいつ/あいつの殺害には成功したものの…
 
-  その副官であるあいつには敗れ…
 
-  あいつだけが異質で…
 
-  あいつが避けた
 
-  あいつの死だ。/あいつが始祖魔術士でないことが分かれば…/あいつは天人種族に改造された…
 
-  新大陸であいつで対決するというのは…/あいつに対抗するため…
 
-  あいつにも言われたよ。
 
-  ……あいつらのほうは…
 
-  あいつの腕も治せる。
 
 
  
 | 
| 第8節
 | 
そいつ : コルゴン
 あいつ :
 
-  あいつのところで/あいつはそれなりに手強い魔術士だ。
 
-  あいつが、あの後、なんて言って消えていったか。/他多数
 
-  あいつに叩き込まれたことはいくつもあるが…/あいつの言葉が脳裏に蘇る。
 
-  思い出したのはあいつのことだったが…
 
-  あいつが、奴を殺したらしい。
 
-  そいつがあいつのことを考えているのは、
 
 
  
 | 
| 第9節
 | 
 | 
| 第10節
 | 
そいつ : コルゴン
 あいつ :
 
-  計画を主導しているのはアーバンラマのいくつかの資産家だが、実質、あいつで間違いない。
 
-  あいつは俺が来ることは予想している。
 
-  あいつはどうするだろう。
 
-  あいつは当時、いなくなった夫を追っていた。
 
-  こんな時のため、あいつに仕込まれた奇策がある。
 
 
  
 | 
| 第11節
 | 
そいつ : コルゴン
 あいつ :
 
-  あいつの、短慮な裏切りに過ぎん
 
-  あいつが俺に言ったのは、どちらかを選べということだった
 
 
  
 | 
| 第12節
 | 
そいつ : レキ
 あいつ :
 
-  ちょうど、あいつがこの部屋から出て行こうとしていた時だった。
 
-  どうしてこの一年、あいつの殺害を待っていたのかと言っていたな。
 
-  俺にとって、致命的に俺の予測を裏切ったのはふたりだけだ。あいつと、あいつ。
 
-  考えるふりをするのはあいつの詭弁と同じだ。
 
 
  
 | 
| 第13節
 | 
そいつ : キース・ロイヤル / クリーオウ / レキ
 あいつ :
 
-  あいつの警備主任に、開拓民の指導者になったあいつ…
 
-  号令をかけようとしているあいつに…/あいつに、問題はないと身振りで示した。
 
-  あいつの姿を探したが、どこにも見当たらない。
 
 
  
 | 
脚注
- 元の位置に戻る ^ 原稿の段階では人物名を伏せる意図は無く、単純に名前を機械的に指示語に置換しているに過ぎない。
 
- 元の位置に戻る ^ 富士見書房に縁のある作家陣が合同で完結済みシリーズの特別編(後日談など)を文庫として連続刊行するという企画。
 
- 元の位置に戻る ^ 企画に参加する作家の数が予定より集まらなかったためとされる。
 
- 元の位置に戻る ^ この時、富士見側は秋田に対し「企画は白紙になったが完成した作品だけでも出版したい」と申し入れたが、秋田は「一度完結したシリーズの続きを商品として世に出すことは『お祭り企画』という理由付けでも無ければ抵抗がある」という意向からこれを固辞している。
 
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