世界書
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世界書(せかいしょ)とは、魔王スウェーデンボリーによって著された歴史書。天人種族の遺産。
概要[編集]
1000年前の神々の現出によってもたらされた世界の「変化」について記述されている。約200年前、世界図塔に集まったイスターシバを筆頭とする天人たちがその総力を結集して書の召喚を試み、それから数十年の時を経て塔内に出現した。黒革のカバーでタイトルは無く、文章は全て古代語で記されている。
原書(第一巻)[編集]
世界図塔に召喚された唯一の原書。後に「ブラウニング家の世界書」とも呼ばれる。
約40年前、世界書の出現を一早く察知していたキムラック教会は、書の奪取を画策。《牙の塔》が世界図塔の調査を強行したことを口実に作為的な武力衝突を起こし、後に「砂の戦争」と呼ばれる大規模な紛争へと発展させた。この混乱に乗じて思惑通りに世界図塔から世界書を持ち出すことに成功したキムラック教会は、戦後、世界書を「聖宝」として扱い、当時の教会教師長の最名門である「ブラウニング家」にその管理を任せた。
10年前(赤光帝37年頃)、金品目当ての盗賊がブラウニング邸に押し入り、金目の物と共に世界書が盗み出されるという事件が起こった。しかし、当の盗賊は天人種族の遺産に関する知識に乏しく、世界書の持つ莫大な価値に気付かなかっため、二束三文で裏ルートの市場へ流してしまった。4年後(赤光帝41年頃)、単なる古書として出回っていた世界書は、タフレムで活動するドラゴン信仰者の集会「聖域の集い」のメンバーによって引き取られ、その翌年(赤光帝42年頃)、彼らと取り引きを行った《牙の塔》の教師チャイルドマン・パウダーフィールドの手に渡った。
それから5年が経ち(赤光帝47年)、オーフェンたちと共にタフレムに滞在していたマジクは、チャイルドマン邸で偶然発見した世界書に興味を惹かれ、何気なく持ち出してしまう。魔法の秘儀を求めて世界書を盗み出す機会を伺っていた《牙の塔》の老教師ウオール・カーレンは、教え子を遣ってレティシャ邸を襲撃。かくして、オーフェンたちとウオール教室の間で《塔》の覇権争いを絡めた抗争が開始された。ウオールは自らの教室の総力を挙げて世界書の奪取に踏み切るも、オーフェンに仕立て上げられた偽の世界書(クリーオウの日記)にまんまと踊らされ、最後はフォルテ、アザリーらチャイルドマン教室の連携工作の前に敗れ去った。
その後、本物の世界書はオーフェンからボルカンを経てアザリーの手に渡り、最終的にアザリーがその手で焼却してしまった。
新語訳版[編集]
キムラックで起きたクーデター事件の後、オーフェンが自ら手短に再編纂した複製書。アザリーが原書を燃やしてしまったことを知ったオーフェンは、キムラックで経験した最終拝謁の記憶を元に、1冊だけ刷って古本屋に流した。原書に比べると内容は極めて口語的でいい加減なものになっているが、体裁には無駄にこだわっており、カバーは縁取り箔押しエンボス加工のピンク地に緑のストライプというけばけばしい仕様である。ただし低予算のため紙質が悪く、加工のせいでよれてしまっている。後にコンラッドが入手した。
第二巻[編集]
アイルマンカー結界の崩壊後(赤光帝48年頃)にオーフェンが改めて執筆した最新版。外大陸開拓計画の準備の合間を縫って、アーバンラマ市内のホテルの一室で製作された。内容は第二世界図塔で自身の体に召喚されたスウェーデンボリーの知識に基づいており、かつて執筆した抄訳版とは違い、内容は念入りに推敲された上、タイプライターで清書されている。
後には正式な書籍として出版され、20年経った後の時代にもしっかりと流通している模様。
出典[編集]
- 原書
- 『魔術士オーフェンはぐれ旅 我が塔に来たれ後継者』 - 原書
- 新訳版
- 第二巻